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板倉 隆二
レーザー研究, 43(3), p.136 - 137, 2015/03
近年、超短パルスレーザーと組み合わせて短パルス電子線を発生させる技術が発展し、時間分解測定も実現されつつある。電子線のパルス化には、いわゆる光陰極による電子銃だけでなく、短パルスレーザーによってゲートを掛ける方式など原理が異なる多様な方法が提案され、利用されている。今回、「レーザー研究」誌にて、利用研究に重心を置いたパルス電子線による光励起ダイナミクス研究に関する特集を組んだ。本解説は、その特集の企画意図および本特集を概観したものである。
Redmann, F.*; 河裾 厚男; Petters, K.*; 伊藤 久義; Krause-Rehberg, R.*
Physica B; Condensed Matter, 308-310, p.629 - 632, 2001/12
被引用回数:3 パーセンタイル:22.29(Physics, Condensed Matter)バルクSiC中には、既に多くの成長欠陥が存在する。これらの欠陥は、結晶の電気的・光学的特性に影響を与えるが、結晶の複雑な熱履歴から、その特定は難しい。そこで本研究では、電子線照射によって素性の知れた欠陥を導入し、陽電子消滅法で、それらの欠陥の性質を調べた。電子線照射により、欠陥濃度の増加が認められた。主たるアニールステージは、10001400Cに現れることがわかった。このアニールステージは、エピ膜を用いた陽電子消滅とDLTS測定で見いだされた原子空孔とE1/E2準位のアニールステージに対応している。光学励起による陽電子消滅実験から、上記の原子空孔に関係する陽電子寿命が、光子エネルギー0.47eVを閾値として変化することが見いだされた。このエネルギーは、E1/E2準位のそれ(0.44eV)ともよく一致している。同時計数ドップラー拡がり測定の結果、観測された原子空孔は炭素原子により囲まれていることが示唆された。すなわち、原子空孔は、シリコン空孔を伴う複合欠陥であると考えられる。
関口 哲弘; 馬場 祐治
放射光, 13(2), p.29 - 37, 2000/04
最近行われた固体表面における軟X線光化学反応研究に関して、実例を交えながら解説した。放射光からの軟X線を固体に照射すると内殻電子励起を初期過程として種々の化学反応が引き起こされる。X線励起エネルギーを変えることにより、特定元素が励起できることに着目し、励起エネルギーに対し分解反応がどのように変化するかを概説した。有機珪素化合物などいくつかの試料における反応選択性の現れ方を断片イオンの生成パターンと生成収量の励起X線エネルギー依存性に基づいて議論した。また分解反応の機構を詳細に調べるためわれわれが最近行った「吸着分子層数依存性」と「直線偏光角度依存性」の実験を紹介し、最新の実験結果を元に、全課程をX線吸収による直接的な「一次過程」と散乱電子等に誘起される「二次過程」に分けそれぞれの寄与を求め、反応モデルを論じた。
水田 幸男*; 森下 憲雄; 桑田 敬治*
Proceedings of 2nd Asia-Pacific EPR/ESR Symposium, P. 173, 1999/11
ESRにおいて観測対象となる電子スピンは、NMRにおいて観測対象とされる核スピンのそれに比べて、非常に強い磁気モーメントをもつ。結果として、ESRスペクトル領域はNMRのそれに比べて2~3桁広くなり、従来パルスNMRにおいて行われてきたような、RFパルスによる全遷移の励起がESRでは不可能で、パルスESRにおいて励起パルスはスペクトルの一部を励起するに過ぎない。スペクトル位置を、変化させながら単純に重ね合わせた場合、スペクトルの広幅化や位相のゆがみを招く。われわれは、このことが不完全な励起パルスが誘起するオフレゾナンス成分によることをつきとめ、これを回避する測定手段を見いだした。本法を、光励起直後に生成するMMA開始ラジカルのスペクトル検出に適用したところ、すべてのESR遷移が本来の線形のまま検出できることが確かめられた。
伊藤 久義; 大島 武; 青木 康; 安部 功二*; 吉川 正人; 梨山 勇; 奥村 元*; 吉田 貞史*; 上殿 明良*; 谷川 庄一郎*
Journal of Applied Physics, 82(11), p.5339 - 5347, 1997/12
被引用回数:13 パーセンタイル:57.46(Physics, Applied)室温から1200Cの広い温度範囲での窒素(N)及びアルミニウム(Al)のイオン注入により立方晶シリコンカーバイド(3C-SiC)半導体に導入される欠陥を電子スピン共鳴(ESR)、光励起発光分析(PL)、陽電子消滅(PAS)法を用いて評価した。高温注入は常磁性欠陥を減少させ注入層の結晶性を改善すると同時に、空孔クラスターの形成を誘起することが明らかになった。これらの結果は高温注入時における点欠陥の移動と結合反応によって説明することができる。さらに高温注入による欠陥の形成と消失挙動は注入温度、注入量、注入イオン種に依存することが見い出された。また、高温注入により3C-SiCに導入された欠陥のアニール挙動をESR,PL,PASを用いて調べるとともに、ホール測定、二次イオン質量分析により注入不純物のアニールによる電気的活性化や深さ方向濃度分布変化についての知見を得た。
和田 幸男; 佛坂 裕泰*; 佐々木 聡; 冨安 博*
PNC TY8607 97-002, 158 Pages, 1997/05
本報告書は、平成4年から東京工業大学原子炉工学研究所の富安研究室と動燃事業団先端技術開発室とで継続的に進めている、光化学研究に関する平成8年度共同研究成果報告書である。本年度は昨年度に引き続き、アクチノイドおよびランタノイド元素の光化学分離および光励起量子効果利用に関する基礎研究を分担して行った。その結果、3M硝酸溶液中のPuおよびNpを光化学的に原子価調整し、TBP溶媒中に共抽出した後、選択的にNpだけを再び同じ3M硝酸溶液中に戻す、光化学逆抽出技術の原理実証に成功した。また、アクチノイドおよびランタニノイド元素の光化学的分離手段として可能性のある、これらの元素の大環状配位子錯体を用いた光励起一反応挙動実験を行った。その結果、多種類のLn3+を含む水溶液中の特定のLn3+錯体に固有な光吸収波長の光を照射することにより、そのLn3+を選択的に分離することが可能であると結論された。また、Cm3+の模擬物質として用いたEu3+に関する知見では、Eu3+と同程度の励起寿命と遥かに大きなモル吸光係数を持つCm3+に対しても適用可能であると推定された。
伊藤 久義; 河裾 厚男; 大島 武; 吉川 正人; 梨山 勇; 谷川 庄一郎*; 三沢 俊司*; 奥村 元*; 吉田 貞史*
Physica Status Solidi (A), 162, p.173 - 198, 1997/00
被引用回数:132 パーセンタイル:97.83(Materials Science, Multidisciplinary)立方晶炭化ケイ素(3C-SiC)半導体における点欠陥の構造及びアニール挙動を明確にするために、化学気相成長法によりSi上にエピタキシャル成長させて作製した3C-SiC単結晶試料に1MeV電子線並びに2MeV陽子線等の高速粒子を照射し、照射試料の電子スピン共鳴(ESR)、光励起発光(PL)、陽電子消滅(PAS)測定を行った。この結果、Si単一空孔、C単一空孔/空孔-格子間原子対等の複数の3C-SiC固有の欠陥構造の同定に成功するとともに、それらのアニール挙動を明らかにした。さらに、これらの点欠陥が3C-SiCの電気特性や光学特性に与える影響を、ホール測定及びPL測定結果を基に議論するとともに、現在までに報告された研究結果とも対比して論術する。
関口-池浦 広美*; 関口 哲弘; 田中 健一郎*
Atomic Collision Research in Japan Progress Report,Vol. 21, 0, p.104 - 105, 1996/00
液体窒素温度に冷却したSiO基板表面上にSFを吸着した系において、Si近傍の放射光を照射し、生ずる反応生成物の検出から、F原子だけではなくS原子をも含む活性種もエッチング反応に対して重要な役割を持つことが見い出された。又、表面反応層についての知見を得るため、光電分光法(XPS)を用いてSiピークのシフトの照射時間依存性を測定した。その結果、反応の初期段階において、SiO層が段階的にフッ素化されていることが見出された。以上の結果から、内殻励起エッチング反応機構について考察した。
伊藤 久義; 青木 康; 大島 武; 吉川 正人; 梨山 勇; 奥村 元*; 吉田 貞史*
Silicon Carbide and Related Materials 1995 (Institute of Physics Conf. Series,No. 142), 0, p.549 - 552, 1996/00
化学気相成長法によりSi上にエピタキシャル成長させて作製した立方晶シリコンカーバイド(3C-SiC)単結晶に、室温から1200Cの温度領域で窒素(N)、アルミニウム(Al)をイオン注入し、注入後3C-SiC中に残存する欠陥を電子スピン共鳴(ESR)、光励起発光(PL)、シート抵抗測定法を用いて調べた。この結果、800C以上の高温注入により、残留する常磁性欠陥(g~2.0030)が極めて低減できることが解った。また、高濃度Al注入(注入量≧10/cm)の場合は、Al凝集に関係すると推測される新たな常磁性欠陥(g~2.0035)が形成されることを見い出した。さらに、Nを高温注入後1660Cまでのアニールを行った結果、シート抵抗が低下し、注入N不純物が電気的に活性化することが示された。また、アニールによる常磁性欠陥(g~2.0030)の低減が観測され、この欠陥は電子捕獲中心として働くことが示唆された。その他本論文では、発光中心として働く残留欠陥等も論述する。
伊藤 久義; 大島 武; 青木 康; 吉川 正人; 梨山 勇; 奥村 元*; 吉田 貞史*
14th Symp. on Materials Science and Engineering, Research Center of Ion Beam Technology, Hosei Univ., 0, p.147 - 150, 1995/00
化学気相生長法によりSi基板上にエピタキシャル成長させて作製した立方晶炭化ケイ素(3C-SiC)単結晶に室温から1200Cの温度範囲で窒素(N)、アルミニウム(Al)をイオン注入(加速エネルギー200keV)し、1660Cまでのアニールを行い、残留する欠陥と注入不純物の電気的活性化を電子スピン共鳴(ESR)、光励起発光(PL)、シート抵抗測定により調べた。1000CでNを注入した試料のアニールにより、注入後残存する常磁性欠陥(g~2.0030)量が減少し、シート抵抗が低下する結果が得られ、g~2.0030欠陥が電子捕獲中心として働くことが示唆された。またAl注入試料のESR測定より、注入量が約10Al/cm以上では新たな欠陥(g~2.0035)が形成されることが解った。さらに、Al及びN注入試料のPLスペクトルの比較から、g~2.0035欠陥は非発光中心として働くと推測される。
横谷 明徳
SR科学技術情報, 4(1), p.9 - 17, 1994/01
生体に対して、放射線が細胞致死あるいは突然変異といった特異な作用を持つことは、レントゲンがX線を発見して以来よく知られてきた。この作用の機序を明らかにする一つの方法として、シンクロトロン放射を単色化して得られるX線,軟X線による、特定元素の内殻光吸収を利用した初期過程の限定による解析がある。これまで、リン,ブロム,カルシウム等のK殻を共鳴的に励起した場合、致死,突然変異等の効率が顕著に増大するなどの、内殻励起に特異的な作用があることが、明らかにされてきた。本研究では、この作用の出発点となる分子変化を探るため、単純なモデル生体分子としてアミノ酸を選び、分子中のイオウをK殻共鳴励起した場合の分解生成物を調べた。その結果、イオウのK殻励起による高エネルギー状態は、分子中のイオウから離れたところにある結合には影響を与えないということが明らかにされた。
押山 孝*; 永井 士郎; 小沢 国夫; 竹内 富士雄*
JAERI-M 85-100, 292 Pages, 1985/07
粒子衝撃による固体表面からの気体、不純物の脱着は、核融合炉におけるプラズマ・壁相互作用の重要な素過程の一つであり、脱着に関するデータの収集が要請されている。本報告書は、1958年から1984年までに公刊されたイオン衝撃、フォトン励起に関するデータの収集と評価を行った結果をまとめたものである。収集されたデータは入射エネルギー、固体表面温度、吸着ガスの種類、吸着量の関数として、グラフ及び数値表にまとめてある。
杉浦 俊男*
JAERI-M 82-116, 63 Pages, 1982/09
この総論は1982年1月の報告(JAERI-M・9902)の第2報である。この報告はH及びDイオンの生成とその中性化断面積のデータのサーベイである。ここではChenらが報告している6弗化硫黄の解離共鳴電子捕獲におけるレーザー光照射による光増感の新しい知見にもとずき、放電中のDイオン増加方法への適用につき概説した。中性化については、相互中性化と光電子脱離についてまとめた。
藤田 博喜
no journal, ,
天然鉱物からの放射線誘起光励起蛍光(OSL)現象は、線量測定や年代測定に利用されている。しかし、これまでのOSL測定では、石英以外の鉱物からの蛍光は測定時に妨害となるために、目的鉱物である天然石英粒子を砂利や石材から抽出する必要があり、緊急時における線量測定法としての手法確立の最大の課題となっていた。近年、海外の研究者によって、パルスOSL測定法により、石英とその他の鉱物からのOSLシグナルをその減衰時間(寿命)の違いから弁別できる可能性が示された。この方法を緊急時線量測定に適用するため、測定装置の開発も含めて、基礎的な研究を行ったので、その成果について報告する。